AmsterdamのMuseumpleinにあるVan Gogh Museumで、10月22日まで期間限定の日本展(Japanse zomer: Japanese season)をやっていると言うので見てきた。
Van Gogh Museumはちょうど改修中で、一番広々としていた2階の展示室が使えず、常設展は全て3階と4階に押し込まれている感じだ。
前回見に来た時に既に一通り見てあるから、混雑している常設展は有名どころだけ見直すにとどめた。
特別展である日本展とは、Japanese seasonの名前が示すとおり、日本の春夏秋冬をテーマにしているが、その展示はあくまで全体の3分の1くらいである。
今回の展示では明治維新後の美術に注目していて、まず明治が鎖国を解除した後に天皇中心の政治体制になったことや、西洋の文化を取り入れつつ見事に融合させたことなどが紹介されていた。
明治時代にフィラデルフィアでの展覧会(万博?よく見てこなかった)で「ウェディングケーキ」状に美術品を展示して好評を博したそうだが、同じ展示方法を一部で採用していた。
ウェディングケーキ状とは、下から順に大きさの違う円柱を重ね、ケーキで言えばイチゴが乗っていそうなところに美術品を並べていると言うことだ。
次のフロアでは日本の四季をテーマに展示をしていた。
まず季語についての説明を行い、日本人は桜の花見が好きなことなども紹介しつつ、桜をモチーフにした焼き物などを展示していると言う具合だ。
ここでは常設展から拝借してきたと思われる、歌川広重の浮世絵とそれにインスパイアされたゴッホの油絵が並べて展示してあった。
もちろん多く並べてあるのは明治時代のもので、それに見慣れていない自分の無知さに改めて気がついた次第である。
さらに次のフロアでは、やはり待っていましたとばかりに東海道53次の浮世絵となる。
面白いのは単に広重の浮世絵(レプリカだと思うが)だけではなく、現代のその宿場付近の写真も紹介してあることだ。
ただこの写真、どこかの写真家が撮影したものらしいのだが、日本人から見ると、その辺りをイメージする写真ではない。
と言うか、写真だけ見てその場所を当てるほうがはるかに難しいし、その場所でない「付近」の写真も存在する。
例えば私の実家が近くだから良くわかるのだが、東海道53次第一の宿場町は品川である。
品川と言っても現在の品川駅の辺りではなく、京浜急行の北品川駅から新馬場駅の間辺りとなる。
宿場町として商店街も盛り上げている。
ところが、写真に載っているのはなんと五反田歓楽街である。
ミニ歌舞伎町と言えばわかりやすいだろうか。
宿場町の雰囲気としてはむしろ似ているのかもしれないが、場所も違うし、納得できない。
他の宿場町にしてもそうで、なんでそこを選んだのか良くわからないものが多い。
で、その五反田歓楽街をさらに写真に撮ろうとしたら「No pictures!」と言われて怒られてしまった。
確かに入り口辺りでカメラ禁止などと放送が流れていたような気がするのだが、興奮していてすっかり忘れてしまっていた。
言い訳になるが、他の美術館は基本的にはカメラOK(フラッシュはNG)で、だめなところではマークが出ているので、マークが全くなかったからいいほうに解釈してしまったのだ。
これからはしっかりと確認しなければならない。
でも実は、その前に他のびっくりした写真については撮影してしまっていた(ちょうど係員の背中で、気づかれなかった(汗))のだ。
まあ、ここでは建前上それは削除したことにして、私の記憶と言うことで話を続けたい。
東海道の最後は、江戸から見れば京都になるわけで、五条大橋と言うことになっていた。
使われていた現代の写真には、五条大橋の下に住む人たちの「家」などが収められていた。
これは写真が誤解なのか、説明文が誤解なのかよくわからないのだが、説明文にはなぜか「hikikomori」とある。
帰ってきてから考えてみると、どうも、社会の周辺にいる人たち、と言うことで「ひきこもり」と「ホームレス」を結び付けたようだ。
また、「日本では西洋より、社会だけでなく家族からの個人に対する期待がかなり大きい」などとも書かれていて、なるほど外から見ると本質は似ているのかもしれない。
写真と説明文を見たときはびっくりしたが、インターネットでもそう考える人はそれなりにいるようだ。
思い切り脱線してしまったが、この日本展、なかなか面白かったと思う。
常設展の方が改修中だったのは残念だったが、その分この特別展は無料で見られるので、埋め合わせにはなっているのでないだろうか。
私も日本美術の勉強が出来てよかった(苦笑)。